この記事は、Fediverse (2) Advent Calendar 2023の18日目の記事です。
はじめに
皆さんこんにちは。 @sublimer です。
あすてろいどんという汎用Mastodonサーバーの運用をしています。
あすてろいどんの特徴は、鯖缶の自宅にあるサーバーで動いている点です。
サーバーをクラウド上に置いていないので、かなり安いコストで運用できています。
あすてろいどんのインフラ構成については、去年記事を書いているのでもしよかったら読んでみてください。
新規登録も開放しているので、メイン、サブを問わず、お気軽に登録してみてください。
mstdn.sublimer.me
Fediverseで技術的な情報収集をする際の課題
MastodonやMisskeyなど、Activity Pubに対応したソフトウェアで構成されるFediverseでは、情報が一箇所に集まりづらいという課題があります。
これこそが分散型SNSのメリットの一つではあるのですが、技術的な情報を集めたい場合は、複数のサーバー上に存在する技術的な情報を発信しているアカウントを探し、それらをフォローする必要があります。
もちろん、以下のような技術系のサーバーにアカウントを作る手もあるのですが、日常的に情報収集をしたい場合は、一つのアカウントで完結させたいケースもあるのではないかと思います。
「Fediverse IT系アカウントまとめ」というリストを作ることにした
これまでは技術系の話題はTwitterで追うケースがほとんどでしたが、特に海外のエンジニア等がFediverseに移住するケースが多くなってきたため、FediverseのIT系アカウントをまとめたリストを作ることにしました。
できるだけコストを掛けずに管理したいと考えたので、Google Formsで情報提供を受け付け、公開はGoogle SpreadSheetをWebページとして公開する方式にしました。
気軽に情報提供をしてほしかったので、フォームの入力項目はアカウントのURLと分類(OSS、標準化団体、開発者、非営利団体、ハードウェア・デバイス、PaaS・SaaS、企業・その他の団体、その他)のみを必須項目としました。
特にプログラマーの人はプログラミング言語で探したいケースもあると考え、オプションでプログラミング言語の欄も作りました。
現在公開中のリストはこちらです。
docs.google.com
以下の基準のいずれかを満たしていれば、「公式アカウント」と表記しています。
- アカウントのプロフィールのURLが当該のアカウントの公式なサイトであり、検証済になっていること
- 当該のアカウントの公式なサイトに、Fediverseのアカウントへのリンクがあること
- 当該のアカウントの公式Twitterアカウントなどで、Fediverseのアカウントについての言及があること
Mastodonでは、アカウントをCSVファイルから一括でインポートしてフォローする機能があるため、インポート用のCSVファイルも作りました。
Google SpreadSheetで、ファイルをCSVファイルとしてダウンロードし、インポートすればアカウントの一括インポートが出来ます。
どのようにしてIT系のアカウントを探しているか
基本的には、目にしたアカウントを地道に追加しています。
探し方のコツはいくつかあるのですが、主に以下の3つの方法で、比較的精度良くFediverseでIT系のアカウントを見つけることができます。
GitHubのプロフィールを見てみる
気になったOSSや、そのコミッターのGitHubのプロフィールを見ると、時々Mastodonなどのアカウントを記載している方がいます。
そういったアカウントについて、見つけたらリストに追加しています。
おわりに
Fediverse IT系アカウントまとめリストを作って情報収集をしたところ、Twitterよりも情報が伝わる速度が早いケースも結構あることに気づきました。
Twitterでは、日本語メインで情報収集をしていたので、特に海外のOSSの情報は少し遅れて目にすることが多かったのですが、MastodonではOSSの公式アカウントや開発者から直に情報を得ることになるので、情報を得るまでのリードタイムが短くなったように思います。
特に新しく採番されたCVEやソフトウェアの脆弱性など、セキュリティーに関する情報はMastodonの方が早い印象があります。
これは、自分が直接フォローしていなくても、情報が拡散された結果自分まで情報が届くTwitterとは違い、自分から積極的にフォローして情報を拾いに行く必要があるFediverseの特性ではないかと考えています。
私が運用しているMastodonサーバーのあすてろいどんでは、翻訳機能を有効化しているので海外の情報を集めるのにそこまで言語の壁を感じることはありませんでした。
最後に、情報提供の協力のお願いです。
Fediverse IT系アカウントまとめのリストをより充実させるため、Google Formsでの情報提供を受け付けています。
docs.google.com
情報の登録はログイン不要で匿名で可能です。
必須の入力項目は、登録したいIT系アカウントのURLとその分類だけなので、お気軽に情報提供していただけると嬉しいです。
最近では、Webに関する仕様の標準化を行っている団体のW3CがTwitterのアカウントを閉鎖してMastodonに完全に移行したように、TwitterからFediverseへのIT系アカウントの移行はじわじわと発生するのではないかと思います。また、ThreadsがActivity Pubへの対応を完了すれば、更にIT系のアカウントの数も増えるのではないかと思っています。
本拠地をTwitterからFediverseに移した人が引き続き技術系の情報収集ができるように、Fediverse IT系アカウントまとめのリストをより充実したものにしていけたらと思っています。
皆さんのご協力、よろしくお願いします!!